組合の違いを超えて維新2条例案を許さない教組共同アピール
組合の違いを超えて維新2条例案を許さない教組共同アピール
橋下・大阪維新の会が提案している「教育基本条例案」と「職員基本条例案」は、大阪に限らず、全国の教育と民主主義にも重大な影響を与える動きとなっています。
こうしたもとで、全教だけでなく連合・日教組加盟の組合も含めて、全国40都道府県395教職員組合の代表が、2条例案を許さない一点で共同アピールを発表しました。
(PDF版 アピール 呼びかけ人・賛同者一覧)
■教職員組合共同アピール 2011年11月18日
橋下前大阪府知事と「大阪維新の会」による教育のファッショ的支配を許しません
―― 教育に政治が介入し、子どもと学校を競争にかりたてる「教育基本条例案」など2条例案を許さず、子どもと教育、学校を守りましょう ――
教育は、日本国憲法や子どもの権利条約にもとづき、教職員と子どもたちの人間的なふれあいを通じて営まれ、すべての子どもの成長と発達を保障することを目標に行われなければなりません。「大阪維新の会」が大阪府議会に提案している「教育基本条例案」は、憲法と教育の条理を否定するものであり、大阪の教育はもちろん、日本の学校と教育、社会全体にとっても見過ごすことのできない重大な問題を持っています。
「教育基本条例案」は、「大阪都構想」「職員基本条例案」とともに、橋下前大阪府知事と「大阪維新の会」による独裁体制をねらう3点セットのひとつであり、職務命令と処分の脅しで教職員をがんじがらめで縛り上げるものです。その内容は、府立学校の教育の目標を府知事が決めるとして、「互いに競い合い、自分の責任で道を切り開く人材」「世界標準で競争力の高い人材」など財界が望む人材育成を教育目標として列挙し、学力調査の学校別結果の公表、府立高校の学区制撤廃、入学者数が入学定員を3年連続下回った高校の廃校など、子どもと学校を競わせ苦しめる徹底した競争主義に貫かれています。さらに、これを実行させるため、教員には「組織の一員として校長の職務命令に従う」ことを求め、同じ職務命令に3回違反したら免職にすることまで規定するなど、徹底した上意下達の教育支配のしくみをつくり、教職員に絶対服従を迫っています。大阪のお母さんからは、「子どもを『人材』呼ばわりするのは許せない」と、憤りの声もあがっています。この条例によるもっとも大きな犠牲者は子どもたちです。
「教育基本条例案」は、さまざまな争点によって争われる選挙の結果のみを「民の声」とし、「民の声」=知事とする短絡的なすり替えで、政治による教育介入を制度的に整備するものであり、子どもたちの成長と発達を保障する教育の営みとは無縁のものです。教育の政治支配を禁じた戦後の教育原則を根本から破壊し、橋下前大阪府知事と「大阪維新の会」による教育のファッショ的な支配をねらう企ては、絶対に許すことはできません。
憲法を誠実に実行する責務を負う教職員として、また、子どもと教育を守り、平和と民主主義を擁護することを使命としてきた教職員組合として、全国の知恵と力を集めて、2条例案の強行を許さない共同のたたかいをすすめましょう。「教育基本条例案」「職員基本条例案」の成立を許さず、子どもと教育、学校を守りましょう。