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民主教育

教育のつどい大阪 2017中河内ブロック ゆずりんコンサート

ゆずりん

子どもは未来、平和こそ

ゆずりんコンサート 笑顔がかさなれば

 

 「教育のつどい大阪2017全体会」が10月21日、八尾プリズムホールで開催されました。中河内ブロック11団体で実行委員会をつくり準備を重ねてきました。山本高校の吹奏楽部の演奏、青年教職員の「荒馬」で開会、ゆずりんコンサートが行われ、府内各地から教職員・父母・府民が参加しました。

 

 山本高校吹奏楽部の一体感溢れる演奏で、「教育のつどい大阪2017」全体会の幕が開けました。高校生指揮者のもと、生き生きと演奏する高校生の姿に、会場からは拍手が湧き上がりました。
 中河内ブロックの青年教職員が力強く「荒馬」を踊り、太鼓と篠笛のリズムと演技でたいへん盛り上がりました。
 大阪教職員組合の小林優委員長はあいさつで、安倍改憲と改悪教育基本法の具体化である新学習指導要領のねらいを語りました。それは、「グローバル人材」「戦争する国をつくる人材」の育成のための教育に変質させてしまうことです。子どもと教育、憲法を守るために教職員・父母・府民の対話と共同を大きく広げようと呼びかけました。
 大瀬良篤大教組教文部長は、基調提案とともに来年度から移行措置期間に入る「新学習指導要領」についてのミニ講演を行いました。その中で、極限を超えたつめ込み教育や英語教育など、子どもの成長や発達を無視した内容になっていることが強調されました。
 参加者からは「要点を押さえていて、わかりやすかった」「保育の現場からも、子どもたちのために何ができるか考えたい」「子どものことだけという狭い視野ではなく、先生方と一緒に学校づくりを考えていきたい」などの声があがり、問題点について理解が広がりました。

新連載 「新学習指導要領」を斬る!Vol.1

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外国語教育の早期化で、子どもたち、学校は…

 

 3月に官報告示された、「新学習指導要領」は戦後最悪のものです。極限を超えた「つめこみ」教育、英語教育の早期化・教科化など、子どもたちの発達を無視した内容です。
 子どもたちと、教師を追いつめる、「新学習指導要領」は抜本的見直しが必要です。

 

過去最多の「英単語数」

 小学校で習う「英単語数」は600~700語で、今の中学3年間で習う数の約半分です。その数を高学年の2年間・週2時間で扱うことは、あまりにも無謀です。
 また、中学校で習う「英単語数」も1200語から1600~1800語に増えます。小・中学校で習う数を合わせると、中学校卒業までに習う「英単語数」は2500語です。今の高校生は中学・高校を合わせ3000語を習っています。
 これまでの学習指導要領をみても、今回示されている数は過去最多です。「英単語数」だけを見ても、小学校段階から英語嫌いを多く生む内容です。

 

英語の授業をだれがやる?

 小学3・4年生は「外国語活動」が、5・6年生は教科の「英語」が始まります。高学年は、今の中学1年生の内容です。そのため、発音、アクセント、イントネーション、単語の書き取り、文法までも教えなければなりません。しかし、小学校教員で英語の教員免許をもっている教員は、全国で5%です。しかも、外国語教育では「入門期の指導」がもっとも難しいとされています。
 文科省は外国語専科の配置を要求していますが、財務省はそれを否定しています。
 条件整備が全くできていない中、英語教育を見切り発車することは、学校現場に大変な混乱をもたらし、子どもと教師にさらなる負担を強いることになります。

 

来年4月からはじまる「英語」

 文科省は7月の通知で、来年4月から小学校3・4年生は「外国語活動」を、5・6年生は「英語」を、他教科や総合の時間を削ってでも、年間15時間おこなうこととしています。高学年では、「移行措置期間」から、発音やイントネーション、文法も教えることになっています。
 今後「移行措置期間」に使用する教材が配布されますが、5年生最初の単元で、中学1年生と同じ内容を教えることになっています。教材があるとはいえ、いきなり発音や文法の指導をすることは非常に困難です。これでは「移行措置期間」から、多数の英語嫌いを生むことになります。小学校英語の早期化・教科化は早急に抜本的な見直しが必要です。(つづく)

 

≫≫Vol.2 道徳で大切なのは

教育のつどい大阪2017レポート募集開始!

教育のつどい大阪2017レポート募集開始!nakayama

 

教育のつどい大阪2017は、中河内地域で以下の日程で開催されます。

  ・全体会 10月21日(土)13時30分~ 八尾市

  ・問題別分科会 10月29日(日)9時30分~ 八尾市

  ・教科別分科会 11月12日(日)9時30分~ 東大阪市

   ※例年、問題別分科会の日に行っている「障害児教育」分科会は、今年度11月12日(日)の教科別分科会の中で行います。

 

​あなたの日々の実践レポートをお寄せください。締め切りは9月15日です。分科会当日は必ずレジュメを印刷してご持参ください。

レポート提出はこちらから→ http://daikyoso.wix.com/kyoikunotsudoi

 

 

 

<分科会の紹介>

 ①国語教育

 たしかで豊かな認識力と表現力を一人ひとりの子どもに育てる国語教育をどのようにすすめていくのか、交流したいと思います。子どもの事実を大切に、悩みや疑問を出し合い、学び合いましょう。

 なかでも、文学を文学として読むことの意義をふまえて、教材研究のあり方、様々な指導方法等について話しあっていきたいと思います。説明文の指導についても交流しあっていきましょう。また、書くことの意味、読みあうことの意味をおさえ、子ども一人ひとりの課題や思いをどう受けとめ、どのように書く力をのばしていくのか、交流したいと思います。さらに、学習指導要領の問題点を明らかにしながら、各学年教科書の内容についても検討していきたいと思います。国語科の本質にもとづき、子どもたちの基礎・基本の学ぶ力を育てる国語科教育のあり方を考えあっていきましょう。多くの先生方、とくに若い先生方の積極的な参加を呼びかけます。

 

②外国語教育

 すべての子どもたちに外国語を学ぶ喜びと平和な未来を開く力を!このテーマにもとづき、「何を」教えるのかを明らかにし、「知りたい」「わかりたい」という子どもたちの願いにこたえる豊かな授業の創造をめざして、次の様なことを話しあい、交流します。

 ①新学習指導要領や教科書の批判・検討。よりよい教科書・教材とは。②なぜ、何のために外国語を教え、学ぶのか。③外国語学習を通して、異文化を理解し平和で豊かな心をどう育てるのか。④自己表現活動など生徒と創る「楽しくわかる」授業とは。⑤映画や歌などを活用した授業とは。⑥小学校英語のあり方と実践を交流。

 

③社会科教育

 科学と事実に基づき、地域の主人公としての子ども、主権者を育てる社会科教育をすすめます。地域の実態と子どもの発達段階をふまえた実践を研究・討議し、社会科の学力とは何かをあきらかにします。

 ①学習指導要領の問題点を明らかにし、科学的な認識を育てる授業について交流を深めます。②平和と民主主義、人権尊重を基調とした憲法学習を交流します。③子どもが暮らす地域の実態、歴史の掘り起こしをもとにした実践を交流します。④わかる授業、楽しい授業や教材を交流します。⑤若い先生方に、明日からの授業作りの参考になるような実践、教材の交流をします。⑥小学校・中学校・高校で使われている教科書の検討を行います。⑦歴史歪曲の動きに対する批判と検討をすすめます。⑧日本国憲法の平和主義、原発の問題、主権者教育をどうすすめているかを交流します。

 

④算数・数学教育

 わかってできる楽しい授業がしたい。教員なら、だれでもそんな願いをもっているのではないでしょうか。しかし、現実には、朝の会からの計算練習、時間に追われながらすすめる授業と、難しい条件が山積みです。新学習指導要領では、さらに困難さが増しそうです。そのような状況の中でも、多くの学校には優れた授業実践があります。困難な中で、学ぶことのたのしさが実感できる授業をどのように創りだせばよいのか?「全国学力テスト」「チャレンジテスト」に振り回されず、本当の学力を育むために、知恵を出し合い、実践交流しましょう。

 

⑤理科教育

 非系統的で画一的な学習指導要領に基づいた教科書、狭い学力観に基づく学力テスト至上主義、さまざまな問題が、子どもたちから理科を学ぶ楽しさ、自然を深く理解する喜びから遠ざけているという現状があります。

 このような中で、学校では若い先生方を中心に「自然や科学について深く学び授業にとりいれたい」「発達段階に応じた授業を組み立てたい」といった声が強くなっています。
 授業プランや授業の実践報告、観察の工夫や実験の紹介など交流する中で「すべての子どもに豊かな自然認識を育てる」という理科教育の原則に立ち戻った授業のあり方を考えましょう。物理、化学、生物、地学の各分野を総合的に議論する中で、小学校、中学校、高校の段階に応じてどのような認識を育てるのかということも考えていきましょう。
 日々の教育実践の悩みや工夫をもちより、子どもたちの姿が見える分科会をつくります。明日からの教育実践に向かっていく元気がでる分科会を目指しましょう。

 

⑥美術教育

 美術教育は生きる喜びと豊かな人間性を育むという、子どもたちの人格形成にとって大切な基礎基本の教科です。参加者の授業実践レポートや子どもたちの作品の交流をもとに以下のことについて学びを深めましょう。

①子どもたちの実態や発達を考え、生活実感に根ざした表現、豊かな感性を育む指導について考える。
②発達保障の観点から手仕事を通し、主体的につくる喜びを味わうことができる指導について考える。
③美術作品の鑑賞を通し、作品との対話の方法や美を感じる喜びを味わうことができる指導について考える。

 

⑦音楽教育

 「芸術・文化の切りすて」、「学力偏重」の教育政策が、音楽教育にも多大な悪影響を及ぼしています。音楽教育に携わる者として心とからだがひとつになってこそ、発揮される「音楽の力」を子どもたちと味わっていけたらいいなと考えています。多種多様な文化、表現活動があふれているなか、子どもたちとつくりあげていく音楽活動はしっかりとした教材選択と教材分析のうえで、学習活動に織り込んで行けたらと思います。この分科会では、日頃の子どもたちの様子を交流しながら、自分たちの実践を語り合い、音楽の楽しさを実際に体感しながら音楽の世界を深めて行けたらと考えています。

 

⑧技術・職業教育

 生徒のやる気を引き出す教材、生徒が保護者に見せたくなる教材を工夫しましょう。

 日々の教育実践での悩みや工夫を持ち寄り明日からの授業づくりの参考になるような実践、教材の工夫を交流します。
(研究課題)
①生活に必要な道具の正しい使い方
②全ての教科の学びの中で生物育成を楽しむ
③エネルギー変換と原発
④専門実習で理解を深めるための工夫
⑤職業教育と地域・社会とのつながりについて
⑥職業高校改変後の各校のとりくみの現状・実践の交流
⑦今後の職業教育のあり方

 

⑨家庭科教育

 小・中・高で学ぶ家庭科の内容の交流や実践を持ちより、魅力あふれる教材や実践の交流をしましょう。

①地域・家庭との連携を深めながら、科学的認識や基本的技能を育てる教育内容を考え合いましょう。
②日本の農業生産と関連づけた食料自給・TPPについて学び合いましょう。大震災と原発事故と関わる食・住の安全についても考え合いたいと思います。
③主体的な学びへとつながる教材の研究と家庭科教育の意義を深め、実践交流しましょう。

 

⑩体育・健康・食教育

 子どもたちをとりまく教育、自然環境、親の多忙化にともない、ますます生きづらい現状があります。また、いじめ、不登校、児童虐待が後を絶ちません。

 子どもたちの心と身体のゆがみの根本が何であるのかを深く追究すべく、その根底にある現代の政治、社会のあり方の責任も問われます。又原発、TPPによる食糧問題の課題も深刻化しています。子どもたちが安心・安全な生活が保障され、又教育現場で活躍できるように、日々の私たちの実践を体育・保健の分野から報告し、参加者で交流を深めたいと思います。子どもたちが自らの健やかな成長、健全な心身を養うために必要な知識が身につけられる様な手だてを話し合いたいと思います。

 

⑪生活指導・自主的活動

 大人も子どもも生きにくい時代を生きることを強いられています。

 子どもたちは自分自身を守る知恵も経験も十分もっていません。私たち大人が、子どもたちを守り子どもたちに豊かな未来を引き継ぐ重い責任を負っています。学校現場の子どもの「荒れ」「いじめ」「学校崩壊」が、子ども・教師・保護者の深刻な悩みと課題になっています。現状をどうとらえ、そのなかから解決の方向を見いだし、具体的に解決していくためには今どんな取り組みや工夫が必要で、有効なのか話し合い考える場にしたいと思います。次のことを中心に議論を深めたいと思います。私たちの日々の教育実践のなかで、学級・学年・学校の集団づくりを、どうすすめていくか。また、集団づくりの基礎として子どもたちの心をどう理解し、どのように信頼関係を築いていくか。互いに苦労話、失敗例、成功例の経験を交流し、解決の方向を探り、しっかりとした確信に結びつくような議論にしたいと思います。

 

⑬障害児教育

 大阪の障害児学校における「過大・過密」問題は依然として深刻です。府教委が新たに示した「将来推計」では、大阪府立支援学校における「知的障がい児童生徒数」が、今後10年で1400人増加すると示されました。障害児学校の新たな学校建設による、子どもたちの学習権の保障が強く求められます。

 障害児学級在籍数も増え、2016年度は、2.23倍(07年度比)となりました。過大・過密化、数値目標の押しつけ、管理強化が進められ、子どもの話をする時間さえない状況になっています。
 今こそ、「権利としての障害児教育」の確立に向けて運動を進めてきたことに確信を持ち、子どもたちや父母の願いを大切にした、全ての障害児や援助を求めている子どもたちの発達を保障する実践や運動について語り合いましょう。また、通常学級の教育条件や高等学校での課題等、真のインクルーシブ教育や合理的配慮のあり方についても論議しましょう。

 

⑫発達・評価・学力問題

 報告者のレポートをもとに、「学力づくり」「授業づくり」などの問題などを交流します。また、道徳、外国語教育の教科化をはじめとする極限を超えた詰め込みである新指導要領の特徴と問題点についても話し合いたいと思います。明日からすぐに役立つ具体的な報告も交流します。さらに、その実践の根底にある、子どもの見方やとらえ方も学び合いたいと思います。子どもや教育を取りまく状況がますます悪くなるなかで、私たちの実践はいつもうまくいくとは限りません。むしろ、うまくいかないほうがふつうなのかもしれません。そのような実践の中にこそ、今日の教育の課題があると考えています。共同研究者には、報告者を励まし参加者が明日からの実践に展望が持てるような研究的観点を持って、討論に加わっていただきたいと思っています。多忙な日々の中で、実践をまとめてくださったレポーターや、貴重な休日に会場へ足を運んでくださった参加者が、レポートして良かった、参加して良かったと感じてもらえるような分科会にしたいと思っています。

 

⑭幼年期の教育

①子どもの家庭や地域でのくらし、保育所・幼稚園・学校での実態や支援を要する子どもたちの実態を出しあい、子どもをとりまく問題点を明らかにします。

②2015年度からスタートした「子ども・子育て支援新制度」の実情など出しあい交流するなかで問題点を明らかにしていきましょう。
③小学校の基礎学力問題、保育所・幼稚園の統廃合・民営化・預かり保育・延長保育などの問題点を話しあい、父母・地域の人々と手を結び改善するための方向を見出していきましょう。
④保育所・幼稚園・子ども園・小学校の接続問題について学びあい、実践的課題を出しながら豊かな連携のあり方をさぐります。

 

⑮思春期・青年期の進路

 思春期・青年期は、様々な課題を抱え、紆余曲折を繰り返しながらも、将来の進路を見据えて成長していく時期です。悩みつつ成長する生徒・青年のリアルな姿を持ち寄りましょう。そして、それを支え励ます実践を気軽に出しあい、深めあいましょう。

 中学校チャレンジテストの実施など、入試を切り口に、いっそう競争をあおる動きが強まっています。このような「教育改革」の実態やその影響を話しあいましょう。未来へ向けて成長しようとする生徒・青年に寄り添い、その進路保障に関わる様々な実践・とりくみを持ちより、深めあいたいと思います。

 

⑰-A人権と教育

 児童・生徒の基本的人権を守り、育てる教育実践や教育運動を交流したいと思います。

 私たちがすすめる人権の教育は、教育の自由、研修の自由が保障されたうえで、子どもたちに確かな学力と生きる希望を育む認識を育てるものです。
 府下では大阪府人権教育研究協議会・市町人研と行政が一体となって、同和問題に関する認識のゆがみをつくりだしています。
 憲法と子どもの権利条約が生きる教育をすすめましょう。各職場でおこなわれている多様な教育実践を持ち寄り、交流しましょう。

 

⑰-B男女平等の教育

 「格差と貧困」が広がっている大阪で、子どもと父母・保護者の生活破壊は深刻です。教育現場は、着々と物言わぬ教師づくりがすすみ、教師間や父母との共同の取り組みが、困難になってきています。もう一度、原点に立ち返り、共同の子育ての取り組みを継承しなければなりません。

 子ども達や父母の願いや要求をもとに、進路・労働・家庭・性に関する課題を出し合い交流しましょう。子どもも大人も人間らしく豊かに生き、成長できる社会をつくるために学びあいましょう。

 

⑱平和と国際連帯の教育

 「国会議員は『黒界疑隠』の間違いでは」と問うた中学生。「『正直』や『正義』の価値を先生が決めて大丈夫か」と声をあげた大学ゼミ生(朝日新聞投書欄)。思想信条・意見表明権を侵す政治や「特別の教科道徳」に対する子どもたち・青年の認識は確かです。真理・真実の認識、平和と国際連帯の教育を目指してきた私たちは、いま励まされています。

①安保法制をめぐり全世代が行動しています。戦争体験者からの「聞き取り」、地域にある戦争を伝えるものから学ぶ大切さを交流します。
②被害・加害・反戦抵抗などの側面から過去の戦争を学習します。
③戦争美化、改憲誘導の教科書に対しての、平和と国際連帯の教育の課題について交流します。
④原発事故・再稼働、核兵器、米軍基地、憲法、平和と安全の課題を読み解きます。
⑤東北アジアの平和や国際連帯へのまなざしを育てます。
 若い教職員が瑞々しい感覚で憲法、平和学習を進めています。あなたの報告を待っています。一緒に語り合い、学びあいましょう。

 

⑲-1民主的学校づくり

 大阪では、安倍「教育再生」に加え、維新政治による「教育こわし」がすすみ、子どもたちの荒れや教育困難が深刻化しています。

 学校は、子どもたちの「ゆっくり先生に話を聞いてほしい」「授業を楽しくしてほしい」という気持ちや、「何でも相談できる学校にしてほしい」という保護者の願いや、「子どもたちに学力をつけたい」「子どもたちが喜ぶ顔が見たい」という教職員の願いが生かされることが必要なのではないでしょうか?子どもたちの意見が生かされ、保護者の願いがかない、教職員の思いが生かされる学校づくりはどうすれば実現できるのか、それぞれの現場での経験や実態を交流しながら、参加と共同の学校づくりについて話し合いましょう。

 

⑲-2父母・地域住民との共同

 日本を戦争をする国に変えてしまおうと暴走する安倍内閣と維新政治による「教育こわし」のもと、子どもたちの生き辛さは増しています。しかし、情勢が困難になればなるほど、子どもをまっとうに育てたいという切実さは、多くの父母・地域住民の中に際だったものになってきているのではないでしょうか。

 本分科会では、様々な立場からそういう声を出しあい、多くの経験を交流し、子育てについて共に考え、学びあう場にしたいと思います。次の様な観点で分科会を深めていきましょう。
①子ども・生徒・保護者の願いを率直に出し合う場づくりについて話し合いましょう。
②「こんな学校や教育を望みます」の声を出し合い、どうつくっていくのかを色々な立場から共に考え話し合いましょう。
③「いのち・くらし・教育」を守る運動の経験を交流し、話し合いましょう。

 

⑳教育条件

 長期に続く不況のもとで、大阪の子どもたちは、極めて貧困な教育条件の下におかれています。そして貧困と格差が広がっています。子どもたちの就学(修学)保障をすすめる運動、自校方式の中学校給食を実現する運動などを学校で働く教職員だけではなく、教育行政や保護者・地域住民のみんなが協力しあって希望にあふれる学校をつくるとりくみが大切です。すべての子どもたちが、安心して学習することができる教育条件の整備がもとめられます。それらの実現のためには、財政学習・財政分析へのアプローチは必要かつ不可欠な課題です。

 

21環境・公害問題と教育

 東日本大震災・福島原発事故から6年が経過して、いったん停止していた原発の再稼働が次々にすすめられようとしています。豊洲新市場予定地の土壌汚染問題に続いて、公営住宅でアスベストが使用されていた事実が新たに明らかになるなど、住民の安全・安心と環境・公害の問題は切り離せません。また、トランプ米大統領がパリ協定からの離脱を表明したことで、地球の温暖化にたいするとりくみにも心配な状況が生まれつつあります。いま、いっそう、主権者として正しい科学的知見をもとに、真実を求め、未来へつながる社会を展望する教育が求められます。

 私たちの分科会では、持続可能な社会建設への道すじを明らかにすることを研究目標のひとつにすえて、身近な環境問題、公害問題を市民グループの実践や教育実践、教材分析などを報告・交流してきました。昨年度は、アクティブラーニング教材を使った『公害から学ぶ市民力』をはじめ、『学校でソラダス』の運動、全国教研の報告と環境と生物の多様性を教える教育実践を中心に参加者・助言者が率直に意見を交流しました。本年度もレポート報告、フリートーク、ミニ講演を行いたいと思います。

 

22文化創造と教育

 安倍政権や維新政治につながる思想・文化・歴史認識の下で、「厳しい競争的環境におく。強い力で規範を守らせる」といった風潮が子どもたちを追い詰めています。一方、こういった風潮に反対する力も強まっています。 民主主義を求める文化創造を再認識し、より発信力を高める動きも起きています。まさに双方がせめぎ合っている状況です。

 これまで、この分科会では、①地域の文化や歴史、平和の大切さを伝え続けることは人と人とのつながりをつくり、広げていく。②人間への信頼を豊かに育む文化は、広く人々の共感の和も広げる。子どもたちはもちろん、大人たちも文化を吸収して成長していく。③学校・地域における図書館の存在意義は大きい。情報発信基地であるとともに文化創造への土壌でもある。④個々の実践を互いに励ましあい、響きあう学校づくり、平和で民主的な社会の形成へと発展させていく―を確認してきました。自分の思いを形に表し、社会に発信することこそ文化創造の出発点です。

 

23教育課程・教科書

 2013年特定秘密保護法、2015年「戦争法」そして2017年共謀罪を強行採決した安倍政権は、改憲を2020年に行うことを視野に入れ、いよいよ「戦争する国・人づくり」をすすめてきています。また、3月には「道徳の教科化」に伴い、修身に匹敵するような「道徳教科書」を検定、改悪教育基本法を全面的に押し出した学習指導要領を発表しました。また、「小中一貫教育」などを柱に教育課程の複線化などが、その検証なしに「新たな教育」として現場に押しつけられてきています。

 こうした中、教育課程・教科書分科会の意義はますます重要となってきています。①各地域・学校でどのような状況のもと、教育活動が推し進められようとしているのか、また子どもの実態をどうとらえ、教育実践に結びつけているか ②「道徳の教科化」やその教科書の問題点、新学習指導要領の問題点を洗い出し、どう対抗軸を築くか―を目の前の実践をもとに話し合い、子どもの成長と教育の可能性を見つけ、切り開いていく交流となることを期待します。

 

24生活科・総合学習

 本分科会は、小学校低学年「生活科」と、小・中・高校の「総合学習」について考える分科会です。もともと道徳性の強かった「生活科」ですが、今年3月に告示された新指導要領では更に色濃く表れています。現場では、内容が多様かつ不明瞭になり、教科としての意味がわからなくなっているのではないでしょうか。3年生以降の理科・社会の内容との段差も大きく、気になるところです。

 私たちは、生活科を「自然・社会・ヒト」を学ぶ科学的認識の土台作りの教科として位置づけています。また、総合学習は、教科学習とも連動し、「いのち・くらし・地域・環境」等を児童・生徒の発達段階に応じて豊かに学び合う場にしていきたいと考えています。
 生活や発達に課題を抱える子どもたちはどのクラスにもいます。そんな子どもたちも含み、目を輝かせて取り組める価値ある学びについて一緒に考えましょう。又、新指導要領の中味についても検討しましょう。

 

25登校拒否・不登校

 2015年度の登校拒否・不登校の児童・生徒数は、3年連続の増加となりました。大阪府は全国5位、高校生の不登校と中退は連続して全国1位です。
 登校拒否・不登校は、国による競争と管理の教育の押しつけがもたらしたものです。大阪の「維新政治」の教育は、国の施策を先取りしたものといえます。
 この分科会は、教職員や相談員と親たちがともに登校拒否・不登校について考える場となっています。お互いの悩みや経験・取り組みを、レポートをもとに交流し学び合いましょう。
 昨年12月には教育機会確保法(いわゆる不登校対策法)が成立し、3月には文科大臣の「基本指針」にもとづいて各自治体・教育委員会と学校に施策が具体化されていきます。また、昨年7月には不登校に関する調査研究協力者会議による「不登校児童生徒への支援に関する最終報告」が発表されました。
 どちらもこれまでの不登校対策への反省はなく、再登校推進や家庭への指導など子どもや家族を追い詰めるものになっています。これらについても学んでいきましょう。

 

全体会講師

中山 讓さん(ゆずりん)プロフィール

 静岡県で小学校教員を11年間つとめた後、93年4月から「つながりあそび・うた研究所」に加わり、コンサートや学校公演、実技研修会で全国を駆け回り活躍。
 「柚梨太郎」のペンネームで、教員時代から創り続けているオリジナル曲は、現在480を超える。どの曲も子どもたちの心をとらえ、全国の多くの小学校、幼稚園、保育園などで歌われている。
 代表曲「きみとぼくの間に」「きっとできる」「ドンマイ」「少年少女冒険隊」「笑顔ありがとう」「みんながいるから」「笑顔がかさなれば」「先生」など多数。

第28回青年フェスタでの諏訪原健さんの講演要旨

第28回 青年フェスタ

 2月18・19日、第28回青年フェスタを開催し、500人が参加しました。実行委員の活躍で大いに学び、交流できました。感動と勇気をもらった記念講演の要旨を紹介します。

 

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民主主義は止まらない

 

「市民連合」呼びかけ人 諏訪原 健さん

 

 

 僕は奨学金の返済額が1600万円を超えています。「自由に生きるのはこんなに難しいのか」と思ったことが、声をあげる原体験の一つです。
 2013年末の秘密保護法成立当時、テレビアナウンサーが、「この国の民主主義は死んだ」って言いました。「本当か」と思ったわけです。2014年1月ごろ、後輩から「秘密保護法反対のデモがある」と言われて、ついて行ったことをきっかけに僕も「やってみよう」と考えました。

 

生活の中に政治を

 まずデモを政治に関わる身近な手段にしようと、新宿、渋谷、原宿など普段生活している場所でデモをして、生活の中に政治を放り込みました。
 SEALDsをつくったのは2015年5月3日。6月頃から毎週金曜日に国会前で抗議行動を始めましたが、根本にあったのは、政治文化をどうやって変えていくか。
 一つは国会前を政治に対して声をあげたい人が誰でも集まれるような象徴的な広場にすること。二つ目は、誰でも抗議行動に参加できる文化をつくる。三つ目は、国会の中と外をどうつなげるかを考え、野党議員を呼んで協力してもらう体制をつくることでした。

 

選挙で変えよう

 しかし、安保法制は成立。僕らは、「選挙で変えよう」と話し、野党共闘の実現に向けて市民連合を結成しました。なぜか。共闘によって選挙に勝ちやすくするとともに、争点を自分たちでつくり、投票率の向上を考えていました。昨年2月に5野党が共闘を確認。政党に政治を任せるだけじゃなくて、政党も私たちが変えていくことができた例でした。
 今、南スーダンでの自衛隊のPKO活動について全国で抗議の声があがっています。一人のおじさんが「抗議しなきゃ」と言い出したことがきっかけです。個人の呼びかけでの抗議が当たり前になっています。僕らが考えてきた、誰もが個人で政治に関わることができる状況を一つ体現していると思います。

 

個人が尊重される社会に

 私たちが考えないといけないのは、個人として生きることが尊重される社会をつくっていくこと。例えば、教育ならどんな家庭に生まれてもチャンスが与えられる状況をつくる。「この先の社会をどうつくりかえていくか」という時に、今苦しんでいる人たちの声が反映される形で考えていかないといけない。誰もが政治にものが言える状況をつくることは、そのためにも必要です。誰もが思ったことを言い、政治を変えることが当然になったときに、僕は個人が尊重される社会がつくられると思います。

「中学校学習指導要領案」について

「中学校学習指導要領案」について

2017年3月15日
大阪教職員組合

(1)英語教育について
 今回示された「改定案」では、小学校からの英語教育の早期化・教科化の影響が中学校にも及んでいます。小学校で扱う単語数が600~700語程度とされており、現行の中学校学習指導要領の半分近い単語数を扱うことになっています。そして中学校で取り扱う単語数が1500~1800語となっており、子どもたちには過度な学習負担を強いることになります。また、中学校卒業段階の単語数も、現行の指導要領の1200語から、最大で2500語と倍増します。ここには大きな課題があるといえます。
 それに加え、中学校での英語の授業は原則英語で行うものとされており、授業が高度化するおそれがあります。取り扱う単語数が大幅に増加し、授業が英語で行われることにより、授業がわからずついていけない生徒や大量の英語嫌いを生み出す危険があります。発達段階や系統性を鑑みても、大きな問題をはらんでいるとしか言いようがありません。このような英語教育は行うべきでありません。

 

(2)道徳の「教科化」について

 道徳は一人ひとりの内心にかかわるものであり、教科として指導内容を国が規定することは大きな問題です。教科になることで、国が示す検定基準に応じた教科書を使用することになり、評価を行うことになります。検定された教科書を使用することは、特定の価値観を押し付けにつながり、評価においても「数値による評価は行わない」とするとしていますが、そもそも子どもたちの心に評価をつけること自体が、大きな問題です。
 また総則の第1では道徳教育をとりたて、「我が国と郷土を愛し・・・」とあり、第6の「道徳教育に関する配慮事項」でも同様のことが書かれ、「愛国心」に偏重していることはとても問題があり、子どもたちの内心の自由を侵す危険性があります。そもそも道徳性は、子どもたち一人ひとりが日常の生活や学習の中で主体的に身につけていくものです。それを国が規定した内容とそれに応じた検定教科書を使い行われる、教科化された道徳の授業は、特定の価値観の押しつけを行い、子どもたちが主体的に道徳性を身につけることはできません。

 

(3)育成すべき「資質・能力」について

 「改定案」では、前文を新たに設け、教育基本法第2条の目標を書きこみ、「我が国と郷土を愛する」など「愛国心」の押しつけを幼稚園段階から強化するものとなっています。国旗・国歌の押しつけをはじめ、道徳の「教科化」にもみられるように、特定の価値観の押しつけによる、内心の自由の侵害が強まることが大きく懸念されます。
 また今回の改訂で、国が求める「資質・能力」が明記されています。本来、教育の目的は「人格の完成」であり、子どもたちの全面発達を保障するものです。しかし、国が新たに育成すべき「資質・能力」を規定することは、教育の目的を「人格の完成」から国や財界が求める「人材育成」へと変質させるものでしかありません。また、その育成すべき「資質・能力」の中に「人間性」までも含まれていることは大きな問題です。これは、子どもたちの人格形成までをも管理・支配しようという表れであると考えます。これは、道徳の教科化・全教科の道徳化を教育目標に反映させたものです。個人の尊厳を守り、子どもを成長・発達の主体として全面発達を保障するためにも、国が子どもの人格をまるごと評価、管理しようとしていることは断じて許すことはできません。

 

(4)教育方法、評価方法、学校管理運営まで及ぶ、管理と統制の強化について
 「改定案」では、「アクティブ・ラーニング」という言葉は消えましたが、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」が強調され、授業方法にまで踏み込んでいることに変わりありません。また、「カリキュラムマネジメント」の重要性が強調されていることも大きな問題です。あくまで学習指導要領は教育内容の大綱的基準であり、今回の「改定案」のように、教育方法や評価方法、学校管理運営にまで踏み込むことは、学習指導要領を用い学校への管理と統制を強めることにつながり、断じて許すことはできません。

 以上より、「中学校学習指導要領案」の抜本的見直しを求めます。

 

「小学校学習指導要領案」について

「小学校学習指導要領案」について

2017年3月15日
大阪教職員組合

 

(1)極限にまで達したつめ込み教育について
 「改定案」は、2016年12月21日の中教審「答申」にもとづき、小学校3年生で年間980時間、小学校4年生以上は1015時間と大幅に授業時間数の増加がみられます。これは、発達段階を全く無視した、極限を超えたつめ込み教育となっています。この授業時間数は、全国の3割を超える自治体が白紙撤回を求めた1989年学習指導要領時と同じ授業時間数です。しかし、現行学習指導要領においてその時の内容はすでにつめ込まれており、そこに「英語教育」などで量が増加し、「質・量」ともに極限状態になります。1989年指導要領は週6日制でしたが、今回は週5日制で行うこと、また全国の多くの学校が現行学習指導要領のもとで、標準授業時間数に上乗せした時間割で授業を行っているため、さらなる負担を強いることになります。
 このような「質・量」ともに極限状態の学習指導要領に、どれだけの子どもがついていくいことができ、教育内容をしっかりと習得することができるのでしょうか。子どもたちの実態を無視したつめ込み教育では、大量の勉強ぎらい、学校ぎらいを生み出す危険があります。授業時間数について、見直しを行うことが必要です。

 

(2)英語教育について
 小学校段階では母語をしっかりと身につけることが優先すべきであり、英語教育の早期化・教科化においては、多くの専門家から問題があると指摘されています。しかし、次期学習指導要領では、小学校3・4年生では、いま高学年で行っている「外国語活動」を行い、5・6年生では教科として「英語」を行うこととしています。
 内容もとても高度なものとなっています。小学校で扱う単語数は600~700語となっており、現行の中学校学習指導要領での単語数が1200語といったところからも、子どもに過重な学習負担を強いることは明らかです。また、これまで中学1年生で習っていた文法事項の一部を5・6年生でとり扱うことになっています。その他にも、小学5・6年生の英語の内容は、現行学習指導要領の中学1年生で扱う内容と酷似していることは大きな問題です。
発達段階や系統性を無視した、小学校における英語教育の早期化、教科化はすべての子どもたちに、英語を学ぶ楽しさや学力をつけるものには遠く及ばず、大量の英語嫌いを生み出したり、母語の発達に悪影響をおよぼしたりする危険性があります。次期学習指導要領で示されている英語教育は、抜本的に見直すことが必要です。

 

(3)道徳の「教科化」及び育成すべき「資質・能力」について

 「改定案」では、前文を新たに設け、教育基本法第2条の目標を書きこみ、「我が国と郷土を愛する」など「愛国心」の押しつけを幼稚園段階から強化するものとなっています。国旗・国歌の押しつけをはじめ、道徳の「教科化」にもみられるように、特定の価値観の押しつけによる、内心の自由の侵害がさらに強まることが大きく懸念されます。
 また今回の改訂で、国が求める「資質・能力」が明記されています。本来、教育の目的は「人格の完成」であり、子どもたちの全面発達を保障するものです。しかし、国が新たに育成すべき「資質・能力」を規定することは、教育の目的を「人格の完成」から国や財界が求める「人材育成」へと変質させるものでしかありません。また、その育成すべき「資質・能力」の中に「人間性」までも含まれていることは大きな問題です。これは、子どもたちの人格形成までをも管理・支配しようという表れであると考えます。そして、道徳の教科化・全教科の道徳化を教育目標に反映させたものです。道徳の教科化は、教科として国が規定することで、検定教科書を使用し、評価をすることを押しつけられ、特定の価値観を植え付けます。個人の尊厳を守り、子どもを成長・発達の主体として全面発達を保障するためにも、国が子どもの人格をまるごと評価、管理しようとしていることは断じて許すことはできません。

 

(4)教育方法、評価方法、学校管理運営まで及ぶ、管理と統制の強化について
 「改定案」では、「アクティブ・ラーニング」という言葉は消えましたが、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」が強調され、授業方法にまで踏み込んでいることに変わりありません。また、「カリキュラムマネジメント」の重要性が強調されていることも大きな問題です。あくまで学習指導要領は教育内容の大綱的基準であり、今回の「改定案」のように、教育方法や評価方法、学校管理運営にまで踏み込むことは、学習指導要領を用い学校への管理と統制を強めることにつながり、断じて許すことはできません。

 以上より、「小学校学習指導要領案」の抜本的見直しを求めます。

 

第51回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどいに250人

講演する古関彰一さん

講演する古関彰一さん

第51回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどいに250人

 【 集会宣言ダウンロード 


 第51回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどいが2月11日に大阪府教育会館にて開催され、250人が参加した。

 

 つどいは、吉矢千鶴さんと多田安希子さんによるヴァイオリンとピアノの演奏ではじまった。文化行事の後、和光学園理事長で憲法制定史が専門の古関彰一さんが、「日本国憲法誕生史・再論~九条に関わる新事実から~」と題して、日本国憲法がどのような議論と国際状況の中で生まれたのか講演した。

 

 古関さんは、九条(戦争放棄、戦力不保持)についてGHQの当初の案が「戦争の廃止」を掲げていたことを紹介し、「GHQから見ると、日本は、戦争放棄条約(パリ不戦条約)の下で満州事変、日華事変を起こしたので、『戦争放棄』ではなく、さらに強い『戦争の廃止』が必要だと考えていた」と話した。さらに議会での審議で、鈴木義男(社会党)が提案して「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」という平和主義の文言が加わったことを紹介。「結果的に今日まで憲法は変わらずにある。私たちの戦後を考え直さないといけない」と締めくくった。

吉矢千鶴さん(ヴァイオリン)と多田安希子さん(ピアノ)による演奏

吉矢千鶴さん(ヴァイオリン)と多田安希子さん(ピアノ)による演奏

 

 意見発表では、沖縄の米軍基地問題に対する青年のとりくみについて青年が、カジノ・万博問題と維新政治について阪南大学教授の桜田照雄さんが報告を行った。

 

 最後に、憲法施行七〇年の節目を迎えたことに触れ、「平和と民主主義に基礎づけられた豊かな思想・文化と、過去と現在を真摯に見つめる歴史認識の創造を、それぞれの地域・職場・学園で呼びかけ、実践していく」という集会宣言を採択した。

中学校「チャレンジテスト」廃止・撤回を求める

 

 

 

子どもと教育・文化を守る大阪府民会議が中学校「チャレンジテスト」廃止・撤回を求めるチラシをつくり、署名を呼びかけています。

チャレンジテストビラ_表

チャレンジテストビラ_裏

【署名用紙】中学校「チャレンジテスト」廃止・撤回を求める署名

チャレンジテスト表面jpg版

チャレンジテスト裏面jpg版

 

 

 大阪府教育庁は、6月23日(木)に中学校「チャレンジテスト」を中学3年生に実施し、中学1・2年生は、今年に引き続き、来年1月に実施するとしています。またこの結果が、来春の高校入試の調査書評定に利用され、今後、中学1・2年生の内申点も高校入試に利用することが決定されています。これにより引き起こされる問題は以下の通りです。

 

(1)中学3年「チャレンジテスト」の結果で各中学校が格差づけされ、不公平な入試になります。

 中学3年生では、6月23日に実施されたテストの結果を用い、各中学校の調査書評定平均が決定され、評定平均の高い学校は高い評定が多く出るように、低い学校は低い評定が多く出るようになります。このように、通っている中学校によって頑張った生徒が高い評定をもらいにくくなるなど、高校入試がきわめて不公平になります。

 

 

(2)高校入試における内申書の意味がなくなります。

 

 中学1・2年生の調査書の評定は、たった1回のチャレンジテストで評定の変更が余儀なくされます。これでは、各学校が責任をもって日常の学習成果をもとにつけた絶対評価の評定が否定され、子ども・保護者に説明できなくなります。この間、府教委は生徒の学習意欲を高め、個人の努力が反映されるように、絶対評価の徹底を入試の調査書にも導入しましたが、府教委自らこれを全く否定することとなります。さらに、生徒の学校における日常の努力や定期テストの結果が反映されないのであれば、調査書の意味がなくなります。

 

 

(3)子どもたちを中学1年から高校入試にかりたて、中学校教育を大きくゆがめることになります。

 

 チャレンジテストによって実質上、調査書の評定が決定されることになれば、チャレンジテストが入試と同様の重みをもつことになり、入試が前倒しされることになります。人間形成の場である学校が、これでは、テスト中心の学校となり、子どもたちを中学1年から過度の競争に駆り立て、本来あるべき中学校教育の姿が大きくゆがめられます。
私たちは、学校教育を大きく歪め、子どもたちを過度な競争に駆り立てる「チャレンジテスト」に反対です。貴委員会がこの署名の趣旨を重く受け止め、チャレンジテストを廃止・撤回することを強く要請します。

教育を大きくゆがめるチャレンジテストの廃止・撤回を

20160410大阪教育

許さない!
批判と怒りが府内全域から

教育を大きくゆがめるチャレンジテストの廃止・撤回を

 

 

 くるくると毎年変わる府の公立高校入試に対して、いま府内各地で、批判と怒りの声が大きく広がっています。とりわけ本格実施となった中学1・2年のチャレンジテスト(1月に実施)によって、各中学校が責任を持って行った生徒の成績評定が、無理矢理に変更を強制され、各学校長や地教委をはじめ、府内各地の中学校から大きな怒りの声が噴き出しています。

 

 

1 学校教育を否定する1・2年チャレンジテスト

たった1回のテストで評定が下がる

 

 「英語の評定が1学期に『5』、2学期に『5』であった生徒の評定が、チャレンジテストの点数が44点であったため2ランクも下げられて、内申書の学年評定が『3』に落とされた生徒」など、たった1回のテストで1年間の評定がひっくり返される事例が、府内各地で大量に生じています。
 ある市では、府教委に対する協議申し出が700件を超えたのをはじめ、各学校で1~2割、3割近くに及ぶ学校もあります。各学校の絶対評価では、まじめに頑張っている生徒に「1」などはつきませんが、無理矢理に「1」、「2」をつけられた生徒が続出しています(資料1)。

 

 

テスト至上主義が教育こわす

 

 日常の授業でいくら頑張っていても、チャレンジテストで点数をとらなければ高校入試にかかわる内申書の評定は下げられます。逆に、授業態度が悪く、授業エスケープや遅刻をくり返し、提出物や宿題をまったく出さず、定期テストも受けていない生徒であってもチャレンジテストで点数さえ取れば「5」や「4」がつけられます。
 これを生徒たちが知れば、学校を休んで塾でテスト対策をするなど、学校の授業軽視と「荒れ」が必ず広がります。
 いま大阪では、全国でも突出した深刻な「荒れ」と教育困難に直面していますが、これに油をそそぐものです。

 

 

全くの、相対評価に

 

 府教委はこの間、生徒の学習意欲を高めるため、個人の努力がそのまま反映されるとして絶対評価の徹底をすすめてきました。ある研修では、「ペーパーテストでの評価の割合は4割以内にし、残りの6割は授業態度や発表、提出物等で評価するように」とまで指導してきました。
 それが、たった1回のチャレンジテストで、全てひっくり返されるわけです。
 府教委は、内申書の評定を絶対評価に変更すると主張しながら、実際には「公平性を担保する」という口実をつけて、府全体の中学生を対象とした究極の相対評価を強行しているわけです。これは子どもや父母・府民を全くだまして、愚弄するものです。
 各学校の教育評価の趣旨を大切にして、内申書を絶対評価に変更するというのであれば、その趣旨を貫き、チャレンジテストは直ちに廃止すべきです。大阪以外にこのような大混乱を引き起こしている都道府県はどこにもありません。

 

 

資料1
チャレンジテストの点数で内申書の評定が決まる(中1・2年)
*府教委、H27年度「評定の範囲」より

 

●必ず評定が上がる
 ―「中2・国語」では
 83点以上「5」、71点以上「4」、56点以上「3」
●必ず評定が下がる
 ―「中1・英語」では
 50点以下「3」、27点以下「2」、11点以下「1」

 

 

2 内申書の評定は、各学校に委ねよ

 

 一人ひとりの子どもの教育に直接責任を負い、その成長と発達をしっかりと把握しているのは各学校の教職員です。そのため教育課程編成権や評価権は、すべて各学校に委ねられています。こうした各学校の評価権を侵害し、各学校の教育活動とは全く無縁の評定を押しつけ、各学校が責任を持ってつけた評定を無理矢理に変えさせる、法的根拠はどこにもありません。
 府教委は、合理的な理由があれば協議するとしていましたが、実際には変更を認める客観的な基準を定めておらず、協議の対象となったのはテストをまともに受けることができなかった場合だけで、ことごとくが門前払いにされています。テストに参加していなければ、各学校の評定が尊重されています。大教組は、府教委に対してチャレンジテストの廃止・撤回を求めるとともに、市町村教委には参加しないよう求めています。

 

 

3 中3チャレンジテストの中止・撤回を

 

 来年度の入試に向けて、6月には中3チャレンジテストが予定されています。中1・中2のチャレンジテストが生徒個々の内申書評定を決定する個人戦であるのに対して、中3では各学校の評定平均が決定される団体戦となります。6月のテストで、その後3月までの1年間の評定の範囲ワクが決定されます。さらに不当にもテスト教科以外の「4教科」までもがテスト結果により評定の範囲ワクが決定されます(資料2)。入試において内申書は大きな比重を占めます。教科の評定が「1」違うと、入試当日のテストの点数では10点の差(90点満点)がつきます〔標準のタイプⅢ〕。
 「この中学校の評定平均では希望の高校に入れない」、評定平均によって全中学校が格差づけされ、入試に「有利」・「不利」な中学校がつくられるなど、きわめて不公平な入試になります。

 

資料2
「中3チャレンジテスト」
まったく不公平な入試に
大変な序列化が

 

「有利」な中学校 (評定平均「3.7」の上位校)
―上限4.0で、10人に配分すると―
「5」 「5」 「5」 「4」 「4」 「4」 「4」 「4」 「3」 「2」

 

「不利」な中学校 (評定平均「2.2」の下位校)
―下限1.9で、10人に配分すると―
「4」 「3」 「2」 「2」 「2」「2」 「1」 「1」 「1」 「1」

 

 

4 中1からの内申書競争やめよ

 

 さらに重大なのは、来年度以降の入試から、1、2年の評定が内申書に加えられ、実質として中1から激しい高校受験競争が始まることです。
 内申書の脅しで子どもたちをテスト競争にかり立てる、入試の前倒しは断じて許されません。
 広島の中3生自殺問題では、内申書のあり方が問われましたが、今回の内申書改悪は「15の春」どころか「13の春」から子どもたちを追いつめるものであり、改悪の撤回を強く求めます。

 

 

違法なチャレンジテスト止めよ

 

 中学3年生チャレンジテストが、6月23日、府内全域に大きな批判が広がるなか強行実施されようとしています。今、府内の各中学校では1・2年チャレンジテストによって内申書評定が無理矢理に変えさせられ、生徒や父母から「なぜ、こんな評定になるのか?」と問われても、「府教委に強制されたから」と答えるしかなくなっています。この実態が、「違法」なテストであることを如実に示しています。さらに3年生で強行されると、入試制度そのものが極めて不公平なものに変質化されます。

 

 

高校入試がまったく不公平に!

最高裁判決に反する、違法なテスト

チャレンジテストは行政調査で、テストではない

 

 府教委の実施要項では、実施目的を「生徒の学力の状況をつかむことで、教育の成果と課題を明らかにし、今後の教育に生かす」としているように、チャレンジテストはあくまでも行政調査であり、テストではありません。教育課程編成権や教育評価権は各学校に委ねられており、府教委が生徒の成績に関わるテストを行うことはできず、できるのは行政調査に限られているからです。しかしこの3月に府教委は、現実にテスト結果で個々の生徒の評定を無理矢理に変えさせており、これはまさに教育基本法が禁じる「不当な支配」です。
 旭川学テ最高裁大法廷判決は、「教育活動としての試験の場合のように、個々の生徒に対する教育の一環としての成績評価のためにされる」のではない場合に限り、行政調査が合法的であると明記しており、府教委のチャレンジテストは明らかに違法な調査です。このため、府教委の高校入試調査書評定にかかわる「府内統一ルール」には、法的な拘束力はありません。

 

 

府教委のウソは許されない!

 

 府教委は、「調査書の評定は、授業、宿題、テストなど、中学校等における皆さんの頑張りをもとに中学校等が決定するものです。」と今年3月の生徒・保護者向け説明文書に明記していますが、事実は全く異なり、チャレンジテストの点数のみで評定が変えられ、決定されています。
 生徒たちが学校の勉強をおろそかにすることを恐れたのかもしれませんが、真理・真実を貫くべき教育の場にあって、このような恥ずべきウソは断じて許されません。

 

H28年度中学校長会「要望書」より

 

 

 

内申書評定は、各学校に委ねよ!(大阪府公立中学校長会)

 

1、(1)②「高校入学者選抜方法について、調査書に記載する評定については各中学校に委ねられたい。」

 

 

入試前からまったく不公平な内申書に

 

 中西正人元教育長は、教育基本条例案をめぐる府議会討論の中で「府内の小中学校を対象にした学力テストの学校別平均に最大40ポイントの差が出ている」と答弁しました。これを用いて、府教委が示す算出方法で各中学校の「評定平均」を算出(府の評定平均を「3・32」とし、3年生チャレンジテストの平均点を50点として)すると最上位校が「4・65」となり、最下位校は「1・92」となります。最上位校の内申書評定では4と5ばかりになる一方で、最下位校では、ほぼ1と2しかつけられなくなり入試前の段階で、きわめて不公平な状況が生み出されます。それもテスト教科以外の教科を含んで、1年間の評定範囲が、6月のテストで決められてしまいます。6月以後の努力は全く認められず、内申点を高めるためには転校するしかありません。こんなにも不公平で、中学校教育を無視した高校入試制度は全国どこにもありません。

2011年10月6日付 朝日

 府内市町村教育委員会には、違法で「不当な支配」となるチャレンジテストに「参加」しないよう求めます。
大阪府教育庁には、3年生チャレンジテストを中止・撤回し、1・2年生チャレンジテストを廃止・撤回するよう求めます。

 

<VOICE>20160520違法なチャレンジテスト止めよ

○子どもたちがかわいそう 岸和田市教組

 

 岸和田では、教育委員会と中学校長会へ申し入れを行いました。
 市教委からは、参加しないというわけにはいかないが、この制度について問題があると思っている。との返事でした。
 校長会では、制度自体にももちろん反対だが、実施時期についても、これでは行事やクラブ活動ができない。これ以上振り回されたくない、子どもたちがかわいそうだと、憤っていました。
 何としても中止するべきです。

 

 

○喜びとともに学んでほしい 保護者

 

 息子が小5の時、「空欄を無くして何か書こう」の指導が盛んで、子どもに嘘をつけと教えているように感じました。中学校では常にテストの結果が受験とセット。そのプレッシャーや不安の狭間で、子どもはボロボロになっていました。テストによる競争は、多くの親が「親自身が自分を見失う」という「親壊し」、子どもとの関係が悪くなる「親子壊し」以外のなにものでもありません。自分自身の能力を追い求め、喜びと共に学んでほしい。親が子どもに望むことです。

第50回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどいに220人

講演する山口真美弁護士

 第50回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどいが、2月11日にホテルアウィーナ大阪で開かれ、220人が参加しました。主催は、「建国記念の日」反対大阪連絡会議です。

 

 上野順子琉舞研究所による文化行事の後、沖縄出身のSEALDs RYUKYUの学生が基地問題についてスピーチ。

 

 昨年広がった安保法(戦争法)に反対する国会前デモを支えてきた弁護士の山口真美さんが「『戦争する国』づくりに、どう立ち向かうか」と題して記念講演し、安倍政権が「新たな戦前」への道を開こうとしており、国家安全保障会議の設置や秘密保護法、2016年度予算案で初めて5兆円台となった軍事費など、全面的な安全保障戦略の転換をすすめていることを指摘。合わせて、安倍政権による教育委員会制度の改悪など教育への政治介入は、「戦争に国民を動員する体制づくり」だと批判しました。

 

玉城流隆扇会上野順子琉舞研究所による文化行事 一方で、戦争法反対運動が盛り上がったことについて、憲法が70年かけて培ってきた平和と民主主義、それらを蹂躙する安倍政権への怒りが背景にあることを説明し、自身も弁護士として参加した8月30日の国会前デモで、「万を超す国民が国会を取り巻いたことが政治家に衝撃を与えた」と話しました。戦争法強行後も運動が持続していることが、朝日新聞世論調査(1月16日・17日実施)で「安倍政権のもとで憲法の改正をめざす政党の議席が、参院全体の3分の2を占めたほうがよい33%、占めないほうがよい46%、安全保障関連法に 賛成31% 反対52%」と数字で表れていることを述べました。

  

 最後に、つどいが50回の節目を迎えたことに触れ、「日本や大阪の『いま』を直視し、安倍政権や『維新』政治につながる思想・文化・歴史認識と対決していく決意を新たにします」という集会宣言を採択しました。

2016年第50回「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどい集会宣言

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