第28回青年フェスタでの諏訪原健さんの講演要旨
第28回 青年フェスタ
2月18・19日、第28回青年フェスタを開催し、500人が参加しました。実行委員の活躍で大いに学び、交流できました。感動と勇気をもらった記念講演の要旨を紹介します。
民主主義は止まらない
「市民連合」呼びかけ人 諏訪原 健さん
僕は奨学金の返済額が1600万円を超えています。「自由に生きるのはこんなに難しいのか」と思ったことが、声をあげる原体験の一つです。
2013年末の秘密保護法成立当時、テレビアナウンサーが、「この国の民主主義は死んだ」って言いました。「本当か」と思ったわけです。2014年1月ごろ、後輩から「秘密保護法反対のデモがある」と言われて、ついて行ったことをきっかけに僕も「やってみよう」と考えました。
生活の中に政治を
まずデモを政治に関わる身近な手段にしようと、新宿、渋谷、原宿など普段生活している場所でデモをして、生活の中に政治を放り込みました。
SEALDsをつくったのは2015年5月3日。6月頃から毎週金曜日に国会前で抗議行動を始めましたが、根本にあったのは、政治文化をどうやって変えていくか。
一つは国会前を政治に対して声をあげたい人が誰でも集まれるような象徴的な広場にすること。二つ目は、誰でも抗議行動に参加できる文化をつくる。三つ目は、国会の中と外をどうつなげるかを考え、野党議員を呼んで協力してもらう体制をつくることでした。
選挙で変えよう
しかし、安保法制は成立。僕らは、「選挙で変えよう」と話し、野党共闘の実現に向けて市民連合を結成しました。なぜか。共闘によって選挙に勝ちやすくするとともに、争点を自分たちでつくり、投票率の向上を考えていました。昨年2月に5野党が共闘を確認。政党に政治を任せるだけじゃなくて、政党も私たちが変えていくことができた例でした。
今、南スーダンでの自衛隊のPKO活動について全国で抗議の声があがっています。一人のおじさんが「抗議しなきゃ」と言い出したことがきっかけです。個人の呼びかけでの抗議が当たり前になっています。僕らが考えてきた、誰もが個人で政治に関わることができる状況を一つ体現していると思います。
個人が尊重される社会に
私たちが考えないといけないのは、個人として生きることが尊重される社会をつくっていくこと。例えば、教育ならどんな家庭に生まれてもチャンスが与えられる状況をつくる。「この先の社会をどうつくりかえていくか」という時に、今苦しんでいる人たちの声が反映される形で考えていかないといけない。誰もが政治にものが言える状況をつくることは、そのためにも必要です。誰もが思ったことを言い、政治を変えることが当然になったときに、僕は個人が尊重される社会がつくられると思います。
(2017.4.7)