はじける青年パワー 教育のつどい大阪2018泉北ブロック
10月20日、「教育のつどい2018全体会」がサンスクエア堺で開催されました。泉北ブロックの多くの労働団体・民主団体で実行委員会をつくり準備を重ねてきました。現地青年による「よさこいソーラン」で開会、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんによる講演が行われ、多くの教職員・父母・府民が参加しました。
共同を広げ
教育施政策の転換へ
現地青年による「よさこいソーラン」で幕開けした全体会。「絆」をテーマにした動画を背に30人以上の青年たちの迫力のある踊り、エネルギー溢れる姿に、会場は自然に手拍子で包まれ大いに盛り上がりました。
大阪教職員組合の小林委員長はあいさつで、安倍内閣の「改憲シフト人事」に触れ、異常なまでの改憲の動きは、「戦争する国づくり・人づくり」をすすめることがねらいだと強調。憲法と子どもの権利条約が輝く教育や社会を築くために対話と共同を職場・地域から大きく広げようと述べました。
続けて、維新府政による「中学生チャレンジテスト」「高校つぶし」などの教育こわしに、父母・保護者・教職員で問題を共有し、教育政策を抜本的に転換させようと呼びかけました。
新指導要領に立ち向かおう
大瀬良教文部長は、基調提案とともに「私たちは教育に何を求めるか」と題して、ミニ講演を行いました。小中学校で移行措置期間となっている「新学習指導要領」には「一部のエリート育成」と「国家に従順な人づくり」のという2つのねらいが根底にあると述べ、4月から小学校で始まった道徳の教科化について、時の権力に内容を左右される危険があると語りました。また、現場で問題点を明確にし、どう立ち向かっていくのかについて、参加者から「わかりやすく見通しがもてた」「今後の展望が示されて元気がでた」などの声が寄せられました。
全体会講演 フォトジャーナリスト安田菜津紀さん
ファインダー越しに見た世界の子どもたち~取材から見えてきたもの~
近代化が生む格差と貧困
シリアやヨルダンなど世界の国々を訪れ、フォトジャーナリストとして活躍される安田さんが、これまでに最も多く訪問した国は「カンボジア」でした。
「人のつながり」とは何なのかと考え、高校生のとき「国境なき子どもたち」のプログラムに参加したことが今の仕事につくきっかけでした。カンボジアでトラフィックチルドレン(人身売買の被害にあった子どもたち)が保護された施設を訪れ、過酷な状況でも家族を思うつながりの深さに驚いたと語りました。
内戦後、復興へと歩むカンボジアの写真には、首都プノンペンに建つ高層ビルやイオンモールが、発展、近代化を象徴しています。しかし、2枚目は、観光客が出すゴミやペットボトル、鉄くずを拾って、それらを売り、生計を立てている現地の人々の写真でした。現実には、「格差が広がり続けている」と話しました。
紛争は命くらしを奪う
シリアの「空爆の被害を受けた子ども」や「紛争後に残っている不発弾」の写真から、紛争によって家族が殺され、難民となった人々の苦しみを伝えていました。
かわって次の写真は「紛争前シリアの夜景」。それを見て、会場からはその美しさに驚きの声があがりました。紛争は、人のつながりや命を奪うものだと戦争、紛争の悲惨さを強く訴えました。
続けて、東日本大震災の津波被害の写真には、仮設住宅が撤去されていく中、そこでつながり成長していく人々の姿の写真から、そのつながりは、「家族を超えた特別なもの」であると語りました。
平和のためにできること
最後の一枚は「シリア南部の学校の風景」。紛争によって偏見や差別が広がるシリア南部。しかし、分断されたシリア人とヨルダン人の子どもたちは、学校で共に育ち、みんな一緒に笑顔で下校しています。安田さんは、希望を感じ、シャッターを切ったと語りました。
写真を通して、戦争、貧困によって苦しむ人々に、私たちにできることは、「想像力を働かせ、考え、自分の軸を広げること、平和のために行動することだ」と話し、教育現場で子どもたちと分かち合うことができると語りました。
参加者からは、「自分にも平和ための役割があると感じた」「想像して考えるということが心に残った」など多くの感動の声が寄せられました。
(2018.11.14)