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2020年お知らせ活動紹介・見解

核兵器禁止条約 発効 大阪教育1月号1面

0001 (3)「大阪教育」2021年1月22日号1面

核兵器禁止条約 発効
核兵器廃絶へ大きく前進!

 今日(1月22日)、核兵器の開発から保有・使用まで全面的に違法とする核兵器禁止条約が発効します。75年前に広島・長崎で甚大な被害を受けた被爆者や核実験場にされた太平洋の島々の住民をはじめ、世界の人々の核廃絶への願いが国際社会を大きく動かした結果です。しかし、唯一の戦争被爆国の日本政府はこの条約に背を向けたままです。批准する政府を求めて運動を強めていきましょう。

 

この条約は核保有国も
無視できない

 これまでの核兵器に関する条約は「核軍縮・不拡散」であって、核兵器そのものは違法化されていませんでした。核兵器禁止条約は核兵器そのものを違法とする初めての国際法(条約)です。
 現在、核保有国はこの条約を批准していませんから、法的には拘束されません。
 しかし、対人地雷を全面禁止とした対人地雷禁止条約によって、批准していない米国も、オバマ政権時に使用を朝鮮半島に限定すると決めました。
 このように、核兵器を違法化した国際世論の中では、核抑止力論にしがみつく核保有国や核の傘国も核兵器禁止条約を無視できなくなります。

 

主役が大国から
多数の国々・市民社会へ

 2017年には「核兵器の使用がもたらす破滅的な人道上の結末への注目を集め、核兵器を条約によって禁止するための革新的な努力をしてきた」としてNGOの連合体である核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にノーベル平和賞が授与されています。
 核兵器禁止条約の批准国51か国は中南米や太平洋の小国が多くを占めています。アメリカのトランプ政権は、核兵器禁止条約の成立・発効を阻もうとこれらの批准国に対して撤回を求める書簡を送っていました。
 しかし、多くの国がこの圧力に負けずに批准を維持しています。その陰には、太平洋の島国で核実験が繰り返され、住民が強制移住や放射能による健康被害に苦しんできたという重い事実があります。ツバルのカウセア・ナタノ首相は、国連総会での演説で核兵器の脅威を訴えています。
 この核兵器禁止条約の発効は、国際政治の主役が少数の大国から小国を含む多数の国々・市民社会へと交代したことを象徴的に表す出来事になりました。

 

日本政府に署名・批准させよう!

 真に核兵器を廃絶するためには、核保有国・傘国の署名・批准が求められます。日本は1945年、広島と長崎あわせて21万人とも言われる犠牲者をだしました。生き残った人々もその時に受けた傷や放射線障害、結婚差別など筆舌に尽くしがたい苦難の道を歩みました。その唯一の戦争被爆国が署名・批准を拒否していることは核廃絶にとって大きな障害になっています。
 菅首相は今月7日の記者会見でも「署名する考えはない」と答えています。しかし、世論調査では7割の国民がこの条約に参加すべきと回答しています(円グラフ)。
 国を動かすには市町村議会を動かすことも大切です。日本政府に参加・批准を求める意見書採択議会が過半数になれば、アメリカの核の傘に依存する菅政権でさえ無視できなくなります。1月7日現在520自治体議会が採択し、県・市町村合計1788自治体の29%となっています。大阪府内では和泉市、泉佐野市、摂津市、高石市、富田林市、河南町、忠岡町の各議会です。
 議会での意見書採択を求める動きとともに大事になってくるのが、今年9月までに実施される衆議院選挙です。この選挙でアメリカ言いなりの現政権から野党連合政権への転換をはかり、条約に署名・批准する政府を実現しましょう。

 

日本は核兵器禁止条約に
参加すべき 70%
世論調査は2020年11月8日付
毎日新聞

 

署名にとりくもう

 大教組は、平和団体や被爆者・市民とも協力して署名活動にとりくんできました。
 核兵器を全面的に禁止する条約を求める署名(「核兵器全面禁止のアピール署名」)は、2015年4月までに633万筆が国連に届けられ、国連総会議場入り口に「ツインタワー」となって署名用紙が積み上げられました。また、2016年に呼びかけられた「ヒバクシャ国際署名」は1370万筆が集約されています。
 これらの署名が国際社会を動かす力になり、核兵器禁止条約の成立・発効に結びついています。大教組は、日本政府の署名・批准を求めて署名にとりくんでいます。

(2021.1.25)