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2011年お知らせ活動紹介・見解

維新2条例案撤回へ共同広がる 府民集会に1400人

維新2条例案撤回へ共同広がる 府民集会に1400人

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(小野田正利教授の講演と南河内地区教組による寸劇の動画は、こちら

 

■立場の違いを超え、1400人を超える府民が参加

 子どもと教育・文化を守る大阪府民会議や憲法会議、自由法曹団など8団体は、12月7日に中之島中央公会堂で、「憲法と民主主義をまもる府民共同の力で『教育基本条例案』『職員基本条例案』の撤回を求める府民集会」を開き、会場いっぱいの1400人を超える府民が集まりました。
 大阪弁護士会会長代理の大槻和夫憲法問題委員会事務局長や大阪府立高校PTA協議会の藤田城光会長、谷町2丁目の中野雅司町会長など立場を超えた人たちが、「維新の会の2条例案は撤回を」とあいさつ。平松邦夫大阪市長や竹内脩枚方市長など府内の首長や著名人から賛同のメッセージが寄せられました。

 

■「条例案で子どもも保護者もとんでもないところへ」 小野田氏が講演

 大阪大学大学院の小野田正利教授が、「取り返しのつかないことが起きる前に-大阪・教育基本条例(案)が引きずり込もうとする先は?」をテーマに講演しました。
 小野田氏は、アメリカの「落ちこぼれゼロ法」によって生徒のテスト結果が教師の評価に結びつくようになり、大規模なテストの不正や成績の改ざんが行われ、教師はテスト対策をする時間しかなくなったことを紹介。「教育基本条例案が通れば、その2年後、5年後の姿がまさしくここに現れている」と述べました。
 また教育基本条例案が第十条で、「保護者は…教員及び職員に対し、社会通念上不当な態様で要求等をしてはならない」と明記していることについて、「言っている要求が正しくても全部『不当な態様』で排除される。子どもも保護者もとんでもないところへといってしまう」と指摘。
 「弱い者がさらに別の標的をみつけては、それを叩くことによって鬱憤をはらすかのような状況が広がりつつあることを危惧している。熱狂と陶酔、不満と不信の中で、自由と理性が疎んじられていく。前知事、現知事には、大阪はあなたの所有物ではないと伝えたい」と話し、講演を締めくくりました。

 

■2条例案撤回へ 寸劇・リレートーク

 南河内地区教職員組合が、2条例案によって学校現場はどうなるかを寸劇で披露。
 リレートークは、「大阪の児童虐待件数は全国一。膨大な処理件数を数値目標で評価されれば、解決に時間のかかるケースも画一的な対応になってしまう」(府職員)、「競争はしたい人もいるが、上から強制されるものではない。家庭の経済状況によってもスタートラインが変わってくる」(高校生)、「『子どもたちの受ける教育をよくしてほしい』と要求することさえできなくなれば、犠牲になるのは子どもたち」(保護者)など、それぞれの立場から2条例案撤回の決意が語られました。
 「政治的立場や組織の違いをこえ、『教育基本条例案』『職員基本条例案』の制定に反対の声をあげよう」というアピールを拍手で確認。2条例案撤回へ、決意を固め合いました。

 

 

<集会で確認されたアピール>

府民のみなさんへのアピール
「教育基本条例案」「職員基本条例案」の制定を許さないため、
ご一緒に力をあわせましょう

 

 橋下・「大阪維新の会」は、「『教育基本条例案』『職員基本条例案』を争点とする」といいながら、ダブル選挙の公報や「維新の会」ビラで府民にまともな説明をしませんでした。ところが、選挙で勝ったらすべてが「民意」だといい、大阪府議会、堺市議会に加え、大阪市議会にも再提案し、2条例の制定を強行しようとしています。「ファシズムの独裁政治を想起せざるをえない」(竹下景子さんなどがよびかけた「『大阪府教育基本条例案』に反対するアピール」)こんな横暴を絶対に許すわけにはいきません。
 「教育基本条例案」は政治の介入によって子どもたちをいっそう過酷な競争にかりたて、「職員基本条例案」は住民ではなく首長や特定の政治勢力への奉仕者に職員を仕立てようとするものです。そうなれば、「子どもの成長・発達をたすける」教育や「住民のくらし・福祉の充実に努める」自治体の役割は歪められ、その被害者となるのは子どもたちと弱い立場の府民です。
 だからこそ、「教育基本条例案」や「職員基本条例案」について、「教育は政治の道具であってはならない」(府立高校PTA協議会)、「教育と政治の一体化は認められない」(府教育委員)、「人間を一つの型やルールにはめ込んで管理するもの」(日本ペンクラブ)など、各界から条例案への厳しい批判と撤回の声があがっているのです。しかも、「教育基本条例案」は「憲法と法令に抵触する」(前述の竹下景子さんらの「アピール」)、「憲法に違反する」(大阪弁護士会会長)と指摘されているものです。
 2条例案は憲法と教育のあり方、地方自治の精神に反するもので、大阪の教育と大阪の将来を危うくするものといわざるをえません。「教育基本条例案」「職員基本条例案」には大義も道理もありません。このことを多くの府民のみなさんに伝えきることができれば、2条例制定の企てを打ち砕くことはできます。
 すべての職場、すべての地域、すべての学園から、政治的立場や組織の違いをこえ、「『教育基本条例案』『職員基本条例案』の制定に反対」の声をあげましょう。同時に、子どもの伸びやかな成長と府民の福祉増進のためのとりくみをさらに広げましょう。
 歴史の逆流を許さず、民主主義を守り発展させるため、ご一緒に力をあわせましょう。府民のみなさんに心からよびかけます。

 

2011年12月7日
「憲法と民主主義まもる府民共同の力で『教育基本条例案』『職員基本条例案』の撤回を求める府民集会」

(2011.12.14)